大津市で保育園児の列に自動車が突っ込んだという交通事故の「被害者である」保育園の会見映像が話題になっているが、
ぼくは見ることができない。
その様子についての多くの人たちによる感想を読むだけでもう、無理だ。
実際に見てもいないのに論じることは正確性という点で望ましくないけど、
園長先生が泣き崩れている様子に「見ていられない」という声があって、
たぶん、いやきっと、ぼくも見ていられない。
じぶんと同じくらいに、もしかしたらじぶん以上にたいせつにしていた命を守れなかったことよりもつらいことってあるんだろうか?と思った。
想像力の、欠如。
いや、あるのかもしれないけど、
想像力が不足していても「良し」としてしまえるジャーナリズムと、「知る権利」の名の下に「正しく」振るわれる暴力。
『狂ってる』と思うのはぼくだけか?
それらをただ叩いたところでなんにもならないのだけど。
なぜなら彼ら(の会社として)の目的は、
言ってしまえば大衆の耳目を引き付けスポンサーの評価と対価を得ることであり、
それが達成できればよくて、扱うネタがセンセーショナルであるほどよいのだから。
とはいえ、
やさしいまなざしを持つ人たちのやさしさが、心無い(そして無表情な)社会に殺され続けるのは止めなければならないと思う。
どうしたらいいんだろうか?
とりあえず、みんなテレビ見ないようにしたらいいと思う。
というのは極端だし現実味がないので…
「じぶんで」、「意見」を言ったらいいんじゃないかな、と思う。
ちなみに、放送局へ「お前のとこの取材の仕方はけしからん!人情というものがわからんのか!」とか叱りつけるっていうのも一応「意見」ではあるけど、
これはダメージがありそうに見えるが一時的なものだ。
「意見」というより「クレーム」として処理されると思う。
それよりもっと効くのは何か。
たぶん、
「私は、想像力が欠如した取材や報道を好まないので◯◯の番組を見るのをやめます。」
だ。
もっと言うと、
これをその番組の「スポンサー」に対して伝えて、
「私は、そんな残念な番組を支持している御社の商品やサービスも金輪際使うのをやめます。」
だ。
これをみんなが「じぶんの」意見として、怒りに任せて投げつけるのでなく、
淡々と突きつけてあげればいい。
ただそれだけでいい。
それが何よりも困るはずだ。一番「痛い」はず。
ところで、
(たまたまリアルタイムで見たんだけど)ぼくの好きなてぃ先生が、
「(保育園の人たちが袋叩きにされてるのが)納得いかない」そして「直接自分の目で確認したいから」と、なんと現地に行ってTwitterライブをしてた。
(献花を済ませた後だとも言っていました)
大津市の事故の件、テレビやネットの情報だけを見て考えるのは望ましくないと思ったから、実際に現地へ来た。 https://t.co/XLVLf8WPnk
— てぃ先生 (@_HappyBoy) May 9, 2019
見てもらったらわかると思いますが、
ちゃんとカメラを下に向けて、すれちがう人はもちろん、たくさんいる報道陣の顔が鮮明に映らないように配慮されてた。
あたり前っちゃあたり前だけど、
(相当だったであろう)憤りを、視聴者にも報道陣にもぶつけるでもなく、
淡々と現場を映しその説明をして、淡々とじぶんの意見を話されてました。
ちゃんと、人のきもちを想像されているんだろうなと思った。
その上で、ご自分の立ち位置やその影響力もふまえて、じぶんの意思で行動されたんだろう、とも。
ファンだってのはあるにしても、それ抜きにしてすばらしいなと思った。
こんな風に対比して、マスコミ叩きを煽りたいわけじゃないです。
【お父さんバンク】しかり、取材をしてくれるメディアが増えてきて、
実際に会った方達は、どなたも真摯で、思い遣りを持った方ばかりで。
頭で理解しているつもりでも、実際に会うと改めてわかる。
マスコミとか会社とかって、一括りにすると「顔」が見えなくなっちゃうけど、
組織は、それを構成するのは結局「人」だから。
そこで働く「ごく一部の人」ではない多くの人たちのきもちにも、想像力をはたらかせることを忘れないようにしたい。
…
最後に、
今回の事故で亡くなられた方が今安らかであること、
被害に遭われた方たちとご家族の悲しみが癒え、心身共に回復されること、
被害に遭わなかったこどもたちも、安心してこのまま健やかに育つこと、
そしてこどもたちの笑顔をこれからも守ってくれる保育園の方たちに心穏やかな日々が戻りますように、
お祈りします。
そして…
最後にと言いつつ、もうひとつだけ。
ぼくが言うのもおかしいのかもしれないけど、
保育士の先生たち(と幼稚園の先生たちも)、 いつもほんとうにありがとう。
#保育士さんありがとう
#届け #響け
P.S.
記事タイトルに『想像しよう(そうならなけりゃ、堪らない…)』を入れようとしてたけど、やめたのよね。
いつものように音楽ネタを使ってふざけてると思われたくなかった。
同じネタ使うにしても、こういう記事の方がいいな。
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