レクリエ日記(仮)

こどもが大好きで、いっしょに遊び楽しむことを通してこどもの「生きていく強さ」を育てたい『こども王子/こどもの笑顔クリエイター』、 「ベジ」こと浅野暁彦のブログです。(できる時に、更新。)

「あなたは、だいじょうぶ。」 ~あなたに捧ぐ、ぼくの大マジなおまじない

先日「卒業」した放課後等デイサービスの最終出勤日の帰りの会

少し時間をとっていただき、こども達に挨拶をさせてもらったのだけど、

当日利用でない子たちには直接挨拶ができないままになってしまった。

 

何度か顔を出してこどもたち全員に挨拶させてほしい旨を社長に伝えたのだけど、

「学校の先生だって最終出勤日の一回だけだよ?」とのことで残念ながら却下されてしまった。

 

じゃあ、個別に手紙は?と食い下がるも「それもおかしい。」とのことで、

最終的に「みんなに宛てた手紙を事業所室内の壁に掲示するとかだったらOK」ということになった。


最終出勤日のみんなへの挨拶では、

言いたいことがたくさんあったはずだったけど、

ちょっと胸がいっぱいになってしまって、

後になってから『ああ、あれ言いたかったなあ』ということも出てきて。

 

『じゃあ今度こそ余すことなく全部書き連ねて伝えよう!』とも思ったけど、

それやると多分ネバーエンディングストーリーになりそうだし、

そもそもだけど、文字が読めない子もいる。

それでも気持ちは伝えたいし、

「しょうがない」とあきらめたくなくて。

『どうしたらいいかなあ』って、考えた。

 

そして、

ポスターみたいな感じで、絵をつかった「メッセージボード」を作ることにした。

その際、いくつか決めていたことがあった。

 

・ぼくの似顔絵を描いて、パッと見てぼくからのメッセージであるとわかること。

 

・メッセージはシンプルに「ひとこと」。

(ただし、そこに「その言葉」以外の「想い」も乗っけたい。)

 

・文字が読めない子でもイメージで受け取ってもらえるよう、絵を描く。

 

・メッセージボードに細工を施しこどもたちが「遊べる」ようにすること。

 

こんなところ。

 

 

さて、一番重要な「ひとこと」は、なんにしようかと考えた。

 

 


「みんなありがとう」?

→実際思ってるし、最終出勤日の挨拶でもそう伝えた。けど、そこから続いていく「広がり」がほしい。

 

 

「みんなだいすき」?

→これも同じく伝えたけど、一番伝えたい、教えたい、心に残っていてほしいだいじなことかと言うと、はてな?マーク。



「さよなら、またね」?

→わかりやすい挨拶ではあるけど、ぼくの伝えたい「想い」ではない。

 


で。

 


実は少し前から口にしていた、すごくしっくりくるキーワードが既にあって。

僕は(こどもたちを含む)目の前の好きな人達に伝えたいことがいくつもあるけど、
それらは突きつめていくと、ひとことになる。

記事タイトルの

 

 

「あなたは、だいじょうぶ。」

 

 

という、ひとこと。

 

 

なにか問題をかかえても、壁にぶちあたっても、

つらくても、苦しくても、悲しくても…

あなたがあなたを認める、許す、信じるだけでよくて、

どうしたって、どうなったって、だいじょうぶなのだということ。

 

 

そしてこれは自分自身へのメッセージでもある。

ぼくが一番言われたい「安心する」、「安定する」ことば。

 

自分がつかみとった「ほんとうのこと」を、「こたえ」を。

この安心感を、共有したい。

 

そう思って、ここ最近はことあるごとに人に「だいじょうぶだよ」って伝えていた。

 

この時も(心の中でだったけど)そう。

recrea.hatenablog.com

 


それで、

『やっぱこれだなあ』って思って、決めた。

 

そして、

そこへ人に、こどもたちに伝えたい、いろんな想いを乗っけていった。

 


人はみんな、

つまり「あなた」は…

 

 

「ダイヤモンド」のように美しく、貴重な存在だということ。

 


損得勘定なく他人に差し出せる「やさしい」心、そして
何をしたっていいし、どこへでも行ける「自由」を持っている。

 


ひとりひとりが違うけれども、

皆同じように喜び笑い、傷つき悲しむという点で変わりはない、他の人と「いっしょ」だということ。

つらい時があっても決してひとりきりじゃない、助けてくれて、「いっしょ」にいてくれる人がいるということ。

 


この広い「宇宙」(=全)のほんの一部(=個)でありながら、

宇宙と同様に無限の広がり/可能性を持っているということ。

 


そして、

あなたのまなざしやことば、一挙手一投足に、

生きているそのぬくもりに他者と関わる意味があるのだということ、

あなたの存在が「愛」そのものなのだということ。

 

「だから、『だいじょうぶ』なんだよ。」ということ。

 

 

想いを「キーワード」と、それを表す「イラスト/ピクトグラム」に込めていった。


そしてそれらを「遊べる」ようにするために試行錯誤。

 

結果、大きさをB4サイズに決め、

厚みのある画用紙を使って部分的に切り欠き、

手で「しかけ」を動かせるようにした。

 

 

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メッセージボードを裏から見た状態

(糸は、可動部の脱落防止のため。まあ、すぐひきちぎられると思うけど笑)

 

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しかけ部分アップ 

(スムーズに横スライドするようボール紙を細く切りレールにした)

 

 

そして完成(ほぼ)したのがこちら。

 

 

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「あなたは、…!」 

 

各段のイラスト部分を横にひっぱると…

 

 

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「あなたは、だいじょうぶ!」

 

 

デザインとか仕上げはつたなくて正直、胸を張って見せられるようなレベルじゃないけど、

そこはあんまり重要じゃない。

 

これは芸術作品ではなくて、「手紙」だから。

届くか、伝わるか、どうかだ。

そして手紙に必要なのは、「気持ち」だ。

 

「気持ち」は、しっかり込めた。そこだけはめちゃめちゃ胸を張れる。

 

だからきっと、だいじょうぶ。

きっと、届くはず。伝わるはず。

 

だいじょうぶ!(๑′ᴗ‵๑)

What a Wonderful World. 〜 子の「支配」からの、卒業

いくつか勤め先や運営会社が変わったりしながらも、

足かけ5年以上続けていた放課後等デイサービスを辞めました。

別のとこに移るとかいうことはなく、完全に「卒業」です。
 
 
理由はいくつかあるけど、
主な理由は、
ぼく自身がやりたい方向とのベクトルが違うことに違和感を感じていたことと、
放課後等デイサービスの運営においては「業種」としての限界があると感じたこと。
 
 
それらはずっと前から感じていたことだったけど、
なんとなく、続けてしまっていた。
 
そこへ行けば、こどもたちの笑顔に囲まれて、
そして自分でそれをもっと「咲かせる」ことができて。
それはもう楽しかった。
 
それで、わりとバカばっか言っては、やってきたけど、
(大人なのに、『ふざけないで!真面目にやって!』等と叱られていたのはスタッフの中でぼくだけだろう)
こどもと向き合うということにおいて手を抜いたことは一度としてないし、
自分が思う「子育て」、そして「支援」を本気でやってきたつもりだ。
 
 
でもそれをずっと続けていくのは、
放課後等デイサービスという括りの中ではもう限界だな、と思った。
(決して、放課後等デイを否定したいわけではありません。方向性が違うだけ。
 ちなみに利用者=こどもに対してスタッフがマンツーでつけるんだったら話は違ってくるんだけど、
 これは様々な理由から現実的ではありません。) 
 
 
こどもたちが
「社会に出て生きていけるように」、
「他人とうまくやれるように」、
「できることをひとつでも増やしてあげたい」。
 
 
放課後等デイサービスには、
(こどもたちを食い物にしてるだけの会社も今は増えてしまったけど、)
そんな想いを持って、真剣に子どもたちと接する人たちが働いています。
少なくともぼくが関わらせてもらった勤め先ではどこもそうでした。
 
ぼくも同じように願ってる。
 
ただ、ぼくは
放課後等デイサービスだけでなく、学校教育全般、ひいては社会に対して疑問を感じていて。
 
 
オトナのみなさん、
「社会」ってものが「(変容していくものだとしても)常に正しく、揺るがないもの」という前提で考えてやしない?
 
 
その今の「社会」、そして「教育」は、
こどもを今ある社会に「適応させよう」と彼らに強いているように思えてならない。
や、それは至極当たり前のことではあるんだけど。
 
でもね、
それは、「支配」だし、「コントロール」だし、
こどもたちへの侮りじゃないのかな?って思う。
 
彼らの力を、根源的な生命力をなめてんじゃない?って。
 
 
ぼくは、
こどもは可能性の権化だと思っている。
今の、特に日本の社会は、
こどもたちがその可能性を狭める方へ、自分で蓋をする方へと、追いやっているように思えてならない。
 
でも、そっちでなくてね。
 
 
「生きるって、楽しい!!」
 
 
極論すれば、
こどもたちがそう思える、強く信じることさえできるようになれば、
「そこ」まで一緒に歩いていくことができれば、
その先はもう大人が手を離したとしても「だいじょうぶ」なんだと思っている。
 
もちろん、苦痛や、困難や、理不尽なことが起こらないなんて言わないし、言えない。
 
でも、そんなのを全部ひっくるめて「だいじょうぶ」なんだと思っている。
 
 
さて、そんで、
この先、ぼくはぼくの「子育て」をどうしよっかなあ?って考えて。
 
現状でも、
週末メインで平均して月に1〜2回以上は託児だったり、
「こどもと遊んでもらえますか?」ってご依頼をいただいているのだけど、
もっと増やしたい。
 
『あ、たとえば保育士の資格なんかがあればぼくを知らない人でもぼくのことを信用してもらいやすくなるのかなあ』と思い、
それまで保育士資格は今からじゃ取れないものなんだと思ってたけど
気になってとりあえず調べてみたら、
 
放課後等デイサービス(旧:児童デイサービス)での勤務が「児童福祉施設において児童の保護に従事」として、
保育士の受験資格としてみなされるというのを
 
辞めた後に知ったんですね。笑
 
 
そんで、ざっと計算したんだけど、
その基準(総時間数)にちと足りない。笑
 
よし、じゃあ放課後等デイでなくても、対象となる児童福祉施設
その足りない期間分だけ働いて、それで保育士資格を取ろうかな…
 
 
と一瞬思ったんですが、やめました。
 
 
だって、遠回りだ!!笑
 
 
受験資格を得られても、試験に合格しないとだから当然その勉強もせんといかん。
 
 
その時間を、ぼくはこどもと触れ合うことに使いたい!
そしてぼくという人間をよく知ってもらうために発信していくことに使いたい! 
 
 
それにね、
ちょっと世間に、言ってやりたい。
 
フツーに、ジョーシキテキに考えたらこういう場合資格とるんだろうけどさ、
 
勉強に勉強を重ねて保育士だったり教職だったり資格持ってるパーフェクトでグレートな「先生」たちよりも、
 
何の資格も持ってない、日々「ただこどもと遊びたいだけです」とかほざいてるオッサンの俺の方が日本全国のこどもたちを超絶笑顔にして、彼らから絶大な人気を得たら。
(※こどもについて勉強することを否定する意図はないので誤解されませんように。ていうかぼくも勉強はするし。自然に、する。)
 
 
ひらたく言うと、
 
 
「俺の方がヤバかったら、どうする?」
 
 
って。
 
 
バカですか?
アホですか?
 
そうですか。
そうですね。
 
ていうかアホじゃなかったら、最初からこんな「こどもと一日遊ぶサーヴィス」とかせんと思う。笑 
 
でもぼくは自分で言うのもなんだけど、
 
愛すべきバカでありアホですよ!( •̀ㅂ•́)و
 
 
 
そんで、
保育士のセンは消え、これまで何度も言ってきたとおり、ぼくは「こどもと遊びたい、笑わせたい」わけですが。
 
放課後等デイを辞めてしまったということは、
「日常的」にこどもたちと触れ合える機会が、基本なくなったということ。
 
公園に行ってこどもたちに声をかけてまわったりしたら、
こどもたちとは絶対楽しく遊べる自信があるけど、
それを見た周囲のオトナたちの通報によって確実に事案になりますよね。
それは、避けたい。笑
 
 
でね。
あともうひとつ言わせていただきたい。
 
 
ぼくがこどもと遊ぶ、笑わせる(そしてそれを通してこどもを育てていく)機会を逸したままでいることは、
それはもう、大袈裟でもなんでもなくて、世界の損失だと思う。
 
…って、
これはぼくに限った話ではなく、誰だってそう。
今このブログを読んでくれているあなたも、ぼくやあなたの知らないどこかの誰かも。
 
自分の好きなこと、自分を満たすものが「これ」とはっきりわかっていて、
そしてそれを実現できるだけの力を持っているのなら。
 
「それ」をして自分以外に喜ぶ人がいるのなら、
単純に考えてハッピーだって感じる人が多い方がいいじゃん。
 
この丸い地球の中では、人(そして動物)の価値観や利害が対立するのが当たり前。
 
それでも、
自分と、同時に自分以外の誰かが幸せになることを願う(呼び方は愛でも、良心でも、まごころでもなんでもいい。)その想いをね、
自分の中から放たない、放とうとしないのは、大袈裟でもなんでもなく、世界の損失だと思う。 
 
 
版画家の名嘉睦稔(なか ぼくねん)さんが、
出演された映画『地球交響曲ガイアシンフォニー)』の中で素敵すぎることを言っていて、
ぼくはこの言葉が、考え方が大好きだ。 
 
 
「世界中の子どもたちがたっぷり幸せを獲得しても、この世の幸せは少しも減りません。」
 
 
 
 
ぼくなら、
彼らが「自分の力で」幸せを獲得するためのお手伝いができる。
だから、やる。
 
 
 
この先の展開がどうなっちゃうのか正直全っ然わからんけど、
それでもこの気持ちはきっと変わらないと思います。
 
やれることを、やっていきます。
 
そして、遊ぼう!!!
 
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かはたれ?(わたしの、かたわれ。)

今回書くのは悲しかった話で、

楽しい話ではないし、

いつも以上に乱文で、

基本的に吐き出したいだけで、

八つ当たりみたいなものなので、

気にされる方はこの先は読まないでください。

 

 

 

---

 

 

 

先日、楽しみにしていた【秘境祭】という友人が主催する音楽フェスティバルに行ってきたときの話。

 

hikyousai.jp

 

場所は奥多摩の先の、山梨県は玉川キャンプ村。

大自然に囲まれたロケーションで、まさに「秘境」といえる趣き。

 

記憶が確かなら、3年ぶりの参加。

 

今回は、先日の記事で触れたNETWORKSも出演するし、

これは夜の自然の中でぜひとも観たい!と。

 

フェス自体は昼からやっていたのでけど、

ぼくは日中の予定があって、夜から参加することに。

NETWORKSの出番に間に合うように行こうとすると、

電車で最寄りの奥多摩駅まで行けても会場までのバスがないので、バイクで行くことにした。

 

iPhoneをナビにして、家から2時間弱。

途中雨も降ったけど、ほとんど濡れず。

出発時にはギリギリだった到着予定時刻も、

順調に進み、結果NETWORKSの出番まで余裕を持って到着できそう。

会場まであと、約700m。

 

 

そこに、いた。

 

 

道の真ん中に。

 

 

「動かないもの」が、いた。

 

 

子猫だった。 

 

 

それが何なのかを瞬時に理解し、息が喉の奥で詰まった。

 

その瞬間、脳内では言葉にはなっていなかったけど、

言葉にすると、

 

『ああ!!!また…!!!』

 

と思った。

 

 

「また」。

 

 

ーーそれは、ぼくがベジタリアンになったきっかけだった。

9年前に当時の仕事の夜勤明けで帰宅すると、

自宅マンションの前で猫が轢かれて道端に放置されてたことがあって、

植え込みに移しタオルにくるんでシーツをかけひとりで葬式をしたこと。

(忘れ去ってしまいたかったから?)今となってはなぜか記憶があいまいなのだけど、トリガーとしての出来事はたぶん、それだ。ーー

 

 

避けて、横を通り過ぎた。

 

こみ上げてくる何かとともに、恐る恐る、震えた息を吐き出した。

情けない声が一緒に漏れ出した。

 

 

自分に言い聞かせた。

 

『泣くな。』

 

『こらえろ。』

 

『もう動かない。』

 

『「助かり」はしない。』

 

『行ってどうする、意味がない。』

 

 

アクセルを緩めず、そのまま会場まで行こうとした。

 

でも、できなかった。

 

ウィンカーを出し、路肩に停車した。

 

 

もう、だめだった。

 

頭の中はぐちゃぐちゃで、

涙が溢れてきて止まらなかった。

 

 

あと少しだったのに。

いっそ、気づかなければよかった。

 

そう思った。

 

 

なんでだよ。

 

なんで、ここで?

 

なんで、今なんだよ。

 

今から楽しみにしてたフェスなんだよ。

 

それなのに、なんで?

 

なんで?なんで??なんで???

  

なんで、また?

 

なんで、俺?

 

なんで、あの子…?

 

 

偶然だ。たまたまだ。

 

関係がない。
関係などあるわけがない。

 

 

でも。

 

 

後からの車があの子をまた轢くかもしれない。

避けられても、事故につながるかもしれない。

 

周りを見渡しても手伝ってくれる人は誰もいない。

俺しか、いない。

 

俺が行かないと。

気づいた俺が行かないと。

フェスに参加するかどうかはともかくとして、俺が行かないといけない。

 

そう思った。

 

それにあの子を放っておいたままにして、頭の中から追い出して、
フェスを思い切り楽しむなんて絶対にできないことは、はっきりとわかっていた。

 

 

戻ろう、と決めた。 

 

決めたけど、怖くてしかたがなかった。 

 

泣きながら戻った。

 

『いやだ、行きたくない…行きたくない…』

『でも行くんだ…行くんだ…』

 

 頭の中で二人の自分が煩かった。

 

 

そして、先程と同じ場所に戻ると

その子は、やはり先ほどのままだった。

 

一瞬、キラッとふたつの小さな光がこちらに反射した。

目が開いたままだったのだろう。

それも「前」と同じだった。

 

 

後続車はまだなかった。

 

また横を通り過ぎて、来た道の進行方向にUターンし、

手前でバイクを停めて、そうしている間に後続車が来ても遠くから視認できるようヘッドライトでその子を照らした。

 

自分の覚悟が揺らいでしまわないように、「これからすること」の準備を進めた。

 

ヘルメットを脱ぎ、リュックから、白地のパンダの絵が入った手ぬぐいを出した。

「前」と同じように、せめてもの弔いの意味も込めてくるんであげようと思ったからだ。

(パンダ好きな僕にプレゼントとして人からもらったものだったのだけど、

 そのように使えるものではもうひとつ、タオルがあったのだが、

 それは派手な色柄だったので意図にそぐわないと思ってやめた。)

 

手ぬぐいを手に持って近づいたが、

しばらくの間、立ちすくんだままその子を見下ろしていた。

 

 

触りたくない。

 

「抜け殻」に、触れたくない。

 

「死」そのものに、触れたくない。

 

 怖い。

 

 

だけど。

 

あそこで血を流して横たわっていたのは。

 

全く関係がなく、同じ人間という種族ですらない。

 

それでも、ぼくはあの子をもうひとりの「自分」だと認識してしまっていたから、

助けないわけにはいかなかった。

 

「命」は助からない。

もうそこに、ない。

 

それでも、「助けて」やりたかった。

それくらいの「救い」があっても、いいはずだろう。

救う対象が「自分」であるなら、なおさら。

 

 

深呼吸をして、屈み。

手ぬぐいでその子を下から持ち上げようとする。

 

触れた時、ぞわぞわした。

 

体温はなかったが、身体は硬直はしていなかった。

柔らかく、ぼくが知る猫がもつ「弾力」があった。

ただ、寝ているだけのようにも思えた。

 

一度目は持ち上げられなかった。

体の下への手の差し入れ方が浅かったのと、

腕と手に力が入れられなかったから。

 

二度目は、体の下に深く手を入れて、持ち上げることができた。

立ち上がって、道路脇の草むらへ移そうとした。

重くて持っていられない、と思ったけど、

そうではなくてやはり震えて手に力が入らなかっただけだった。

自分の手じゃないみたいだった。

 

草むらの中へそっと横たえ、手ぬぐいでくるんだ。

手を合わせた。

ぼくは仏教徒じゃないのに、なんで手を合わせてしまうんだろうね。

 

でもある人が言っていたよ。

「この方が気持ちが入るんだ、いいじゃないか」って。

 

頭の中ですら言葉になっていなかったけど、

目を閉じたまま、祈った。

 

言葉にすると

ごめんね、とか、

もう苦しくないとか、

あなたのことを想ってるよ、とか

そんな感じだったと思う。

 

 

もうずいぶんと遅くなってしまったが、もしかしたらまだNETWORKSは演っているかもしれなかった。

 

泣いたまま、ヘルメットでバレなきゃいいななんて思いながら

とりあえず入口まで言って受付をした。

 

スタッフの中にぼくを知っている人がいて、声をかけてくれたが、

うまく話せず、ぎこちなかったと思う。

 

先の方の駐輪できるスペースで主催者の友達が待ってくれているとのことで、

そちらへ進むと、主催の友達が手を振って歓迎してくれた。

その時も、受け答えをするのが精一杯で、とてもぎこちない態度になってしまった。

友達は、きっとわけがわからなかったと思う。

 

メインステージへ進んでいくと、NETWORKSはまだ演っていた。

いちばん後ろの方で観ることにした。

機材トラブルかなにかで中断していたようだったが、すぐに再開となった。

 

始まった曲は、ぼくが好きな、楽しみにしていた“Came-Mu-shi”だった。


この曲には空へ昇っていくような感覚を覚えるパートがあるのだけど、 
そこで盛り上がるバンドとオーディエンスを観て、

こみあげてきた気持ちは高揚感ではなくて、

そのせいで目の前の空間に自分がコネクトできないことが苦しくてまた涙があふれてきた。

次の曲でNETWORKSのステージは終わった。

 

主催の友人と同じくスタッフであるそのお兄さんを見つけていたのでつかまえて、

来たよ、って挨拶をしたのだけどやっぱり普通に話せなくて、

「ほんっとにしょーもないことなんだけど…」と、

状況とそのときの心境を乱暴に説明した。

そして、

今とても楽しめる心境じゃなくて、途中で帰ったらごめん、と伝えた。

やっぱり、困惑させてしまった。

彼は10時間以上仕事していて休憩に入るとこだったらしく、

そんな中、

あそこのコーヒーがおいしいよ。少し落ち着いたらいいよ。12時頃戻ってくるから。

と言ってくれた。

 

そのお店でハンドドリップのコーヒーを買い、

駐輪したところに戻ってバイクに腰掛けて飲みながら小一時間星を眺めたり、

遠くのステージから聞こえてくる音に耳をすませていた。

 

落ち着きはしたものの、思い出すとフラッシュバックというか、

やはりこみ上げてきて泣いてしまい。

 

結局、帰ることにした。

フェスに、2時間近くかけて来て、2曲だけ観て、2時間かけて帰る、って

なんなんだって思ったけど。

 

もっと待てば、時間が経てば楽しむことができる気分になったのかもしれないけど、
その時の自分は「祭り」の場にはそぐわないなと思った。

 

みんな、楽しみに来ているから。

みんなが楽しんでる中、悲しい顔で泣いてるやつがいたら、

盛り下がらないまでも、なんだよって気になるだろうし、

どうしたのって気にかけるし、実際お兄さんも気にかけてくれた。

 

無理やり楽しんでやろうかとも思ったけど、

ほんとうの自分の気持ちを否定したり裏切ることを最近はしたくなかった。


楽しんでる「フリ」をするのは、それは違うと思ったし、

このフェスをつくりあげてる人たちに失礼だと思った。

(あんな顔して、あんな短時間で帰るのもじゅうぶんすぎるほど失礼だけど)

 

ついさっき通った受付で、

スタッフの方に途中外出かと思われたが、

「…すみません……帰ります!」とだけ言った。

 

顔見知りのスタッフは、なんでとかどうしたのとか聞かずに

「べじさんありがとうございます!」

「気をつけて!」

とだけ言ってくれた。

 

スタッフの方たちを困惑させてしまったし、

残念な気持ちにさせてしまって申し訳なかった。

単にぼくがぐちゃぐちゃでどうにもならなかっただけで、

スタッフの方たちは誰も悪くない。

主催者とお兄さんのふたりには後日メッセージを送った。

 

帰りにもういちどあの子のところに行って手を合わせ、帰路についた。

 

翌朝、

「この場所に猫の遺体を移してある」ということをしかるべきところに連絡しなくては、

と思い調べたものの、担当が村なのか県なのかわからなかったのだけど、

結果、「道路緊急ダイヤル」というものがあることを知り、

そこにかけて対応をお願いした。

 

www.mlit.go.jp

 

「前」の時は清掃局が来て回収した後、合同で動物の葬儀を執り行ってくれるということだったのでその点を確認したかったのだが今回は、

「実際に対応にあたる自治体によるのでなんともいえない」との回答だった。

 

 

ある人に、

「悲しいことがあって、話を聞いてほしいことがある」と伝えた。

 

詳細については伏せたまま、細切れでほんとうに要点のみを伝えた。

(猫、とも言わなかった。)

 

シンプルで、とてもわかりやすいアドヴァイスをくれて、

すうっと、気持ちがとても楽になった。

 

そして、ぼくの命が好きだと言ってくれた。

 

 

「命が」。

 

 

「命」。

 

 

「生き死に」についてぼくはなぜこれほどまでに過敏になるんだろうと改めて考えた。

 

なぜ「死」に触れまいと、遠ざけようとするのだろうと考えた。

 

 

根底には、死ぬ気で「生ききりたい」という切実な願いがあって、

それがまだできていないから、叶えてあげていないから、

自分を裏切っているからなのかもしれないと思った。

 

 

その人とメッセージでやりとりしていた時、 

 

「さっきも思い出して泣いたし、まだ泣いてしまう」と言うと、

 

「思い出したい?今どういう自分でありたい?」と訊かれた。

 

それにぼくは、

 

「忘れるんじゃなく覚えていて、でもひきずりたくない

 

 好き好んで思い出したいとは思わないけど、思い出しても平気になりたい

 

 同じことがまた目の前で起きても、我を失わずに、

 

 慈しむことができるようになったらいいのかなと今思った」

 

と返した。



目の前の大切な存在は、自分の分身であって、

自分と同じくらい大切だけど、

やっぱり「分身」だから、イコールではない。

 

その交わることのない平行線/断絶はあまりに哀しいけど、

それゆえにもうひとりの自分を愛することができる。

 

まだよくわからないし、

まだ思い出すと涙が出てくるけど、

 

他者に「愛を届けることができる」ということ。

 

そこに光を当てていくことを、今「また」、しているところ。

アトガキ。

「こどもと一日遊ぶサーヴィス」のレポート史上、最長となった

『代々木〈らい〉おっと! 』のシリーズをようやっと、終えることができました…。

 

 ↓ 

 

recrea.hatenablog.com

 

シリーズの途中、1ヶ月ほどブログを更新していなかったのですが、

(楽しみにしていただいている皆さん、すみません!!!)

見苦しくもその理由というか言い訳をさせてもらおうというのが今回の趣旨です。

 

 

さて、

「じゃあなにが問題だったのか?」というと…、

 

ひとことで言えば、

 

 

「怖かったから」です。

 

 

ぼくの、

「こども」に対して持っている想い、愛情の注ぎかた、向き合いかた。

 

それらをさらけだすことが怖かった。

もう怖くて怖くてしかたがなくて、尻尾巻いて逃げてたんです。

 

 

「人と違うこと」、「常識から外れていること」について自覚はあるから、

「お前は間違っている!!!」と言われる(かもしれない)ことが怖かったし、

ちゃんと伝わるように書けるか、自信がなかった。

 

回でいうと特にこのあたりです。 

 

 

recrea.hatenablog.com

 

 

そして、

こどもにたいしての「姿勢」をいちど表明して、宣言してしまったら、

この先もう「後戻り」ができなくなるであろうという恐怖。

 

でも、

 

自分が「正しいのか」、「間違っているのか」。

 

そんなの、

「正しさ」なんてものは無限にあって、

自分自身が大切にしたいその「正しさ」に自分で腹をくくるだけだろう、と。

そんで他人に押し付けさえしなければそれでいい。

 

誰かに「答え合わせ」をされて、どうするんだと。 

 

自分の正しさを決して譲らないことで、

「誰かのせい」にすることはできなくなるけど、

自分の大切なものは誰かに委ねたくはないな、と。

 

そう思うことができはじめた頃、ある人に

 

 

(乱暴にまとめると)

「てめえ口だけかよ、かっこいいこと言っといて、行動はともなわねえのかよ死ぬほどダセえぞ、ガキか」

 

 

という趣旨のメッセージを、

 

苛立ちと、それを超える愛情てんこもりでぶつけてこられ。

 

胸ぐらつかまれつつ、肩を抱かれて、背中を押された気分でした。

 

 

ありがてえ。

まだ見捨てられてはねえ。

 

 

だからって、

誰かに見捨てられないために生きるのではなく、

這い上がって誰かと素晴らしい世界を一緒に観るために生きたいな、

ということを思いました。

 

 

後になってからのみっともなく、ガキのような言い訳に

お付き合いくださりありがとうございます。

 

ほんでもって、もうしばらくこのガキにお付き合いいただけたらな、と思います。

 

 

P.S.

『代々木〈らい〉おっと! 』のシリーズ名の由来は、

その昔、もうやる気なくすくらいかっこいい

thee michelle gun elephant (ミッシェルガンエレファント)というバンドがいてですね、

彼らが代々木公園で開催した伝説のフリーライヴ

 

【YOYOGI RIOT!】

 

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からで、

それと「來樹(らいき)」くんをかけました。

 

さらにちなみに、

『代々木〈らい〉おっと! 』というシリーズ名だけ事前に決めてあって、

託児当日はこのミッシェルガンエレファントの初期ツアーTシャツを着ていきました。

そういう細かいとこにこだわりがあります。笑
 

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“ULTRA FEEDBACK GROOVE”.

 

意味は、

ヴォーカルのチバユウスケさん曰く、

 

「スゲんだぞ、この野郎」

 

ということらしいです。

 

 

根拠のない自信をもって、転がっていこうと思います。

代々木〈らい〉おっと! その10 (最終話)

前回はこちら。

 

 

recrea.hatenablog.com

 

---

 

 

「(肩車が怖くていやなら)おんぶしたげよっか?」と聞くも、

 

ブンブン (((`・ω・´) 三 (`・ω・´)))

 

と首を横に振る來樹くん。

 

残り少ない体力を気力でカバーして歩く!

(ていうかどんどんテンション上がって元気になってった気がする。)

 

…そしてついに!

スタート地点のお店にたどり着きました!

 

ちなみに、コンサル会参加者の皆さんがいたのが窓際の席だったので、

外から來樹くんを『高い高い』してアピールしたんだけど

いっこうに皆に気づかれなかったのであきらめて普通に店に入りました。笑

 

 

ベジ「ただいまもどりましたー!( ´ ▽ ` )ノ」

 

みんな「おお〜♪ (=´∀`) (´∀`=)」

 

 

とみなさん笑顔で迎えてくれて、ぼくはなんか「マラソン走りきった感」がありました。

來樹くんががんばったことをはやく自慢(?)したかったし、ぼくもハイになってた。

 

かたや來樹くんの、

待ちに待った美紀さんの元に帰ってきたことで見せた「安堵感」。

甘えたり、泣いたりせず、ただゆる〜っと脱力してリラックスした感じだったのが印象的でした。 

 

 

そしてぼくらが戻ってきたことで、そのお店での会はいったんお開きに。

 

その後、

渋谷のとある素敵なお部屋でのお泊まり会(宿泊は男子禁制、來樹くんは除く)に移行することになっていました。

ちなみにぼくは(女性のみの会という趣旨だから)泊まりはNGだけど、

みんなでいっしょにごはんを食べよう、と。

 

來樹くんとぼくは結局銭湯どころではなくふたりともドロッドロに汗をかいていてベッタベタだったので、

美紀さんも一緒にタクシーに乗り、部屋に一番乗りしてぼくらがシャワーをつかわせてもらうことに。

 

ちなみに美紀さんはこの時、腰をたいそう痛めていたらしく、

 

「もともと銭湯行くつもりだったし、いいよー、ぼくが來樹くんといっしょにお風呂入るよー( ´ ▽ ` )ノ」ってことになり。

 

部屋についてちょっとくつろいで、

さあ、じゃあ、ざっ!とひとっぷろ浴びてさっぱりしよう〜♪と

來樹くんとふたりでお風呂へGO!!!

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

すると思うじゃん?

 

 

 

うん。あのね。

 

 

 

來樹くん、断固拒否、アンド号泣。

 

(´-`).。oO(これはもはやお約束なのか?そうなのか?

 

 

 

とりあえずすぐにいっしょに入るのは無理っぽいなー、ってことで

ぼくだけ入って。ちょっぱやであがって。

 

 

「ほーい、あがったよー。じゃあ來樹くん服脱いで〜( ´ ▽ ` )ノ」

 

 

脱がない。

 

 

要は、

「ママといっしょに入りたい。ママに風呂に入れてほしい!(´;ω;`) 」

ということなんね。

 

でも美紀さんは腰痛めてるから、來樹くん抱きかかえたりするのは無理。

 

後もつかえてるし、ということで美紀さんだけ先に入る。

(ドアの向こうで姿が見えなくなってしまうからすごくいやがって、これも相当大変だった)。

 

その間も來樹くんはずっと超絶号泣して嗚咽を爆発させていたわけだけど、

ぼくは昼間のリプレイで、叱りも、あやしもせず、

ただじっと「傍に居る」ということを続けていた。

 

しばらくして美紀さんあがり。

さて、どうやって來樹くんを風呂に入れるか。

 

状況はいっこうに変わらなかったので、

美紀さんから

「ベジさん、もう無理矢理でいいからいっちゃってください!」とGOサインが出て、

抱きかかえバスルームまで強制連行したのだけど、

喉がつぶれるんじゃないかと思うくらいの絶叫でこれまで以上の強烈な拒否反応を示される。

 

無理矢理に服を脱がそうとしたのだけど、

汗で服がからだにベッタリ、を通り越してバケツの水をかぶったかのようにビショビショで貼り付いてしまっててすごかった…!

 

 

最終的に、

 

・美紀さんがバスルームの横にいて來樹くんに声をかけて見守り、

・ぼくが彼を抱えて浴槽に入れたりからだを洗う

 

という案で双方の合意に達しました。

 

園で馴染みのある「キラキラ星」をみきさんとぼくふたりで歌ったりして、

來樹くんもちょっとずつ気持ちももちなおしてきて。

 

 

なんとか!

おふろミッションをコンプリートすることができました!!(´;ω;`) 

 

 

美紀さんに

 

「ベジさんこんなん(状況)、よく耐えられるね、すごいわあ…!(´-`)」って言われたけど、

 

ぼくいちおうプロなんでね、笑

「こどもと向きあう」ことにかけてはプライドというか、切実な想いがあるので…。

こどもを適当にあしらったり、軽く扱うことをしたくなくて、

それをつきつめてったら、ぼくの場合は結果こうなったという。

 

 

でもぼくは美紀さんもすごいなと思ってて(この時には言ってないけど)、

來樹くんに対して何かお願いする時、

 

「こうしてほしい。」とか

 

「美紀な、それいややねん。」とか

 

親の立場であろうと來樹くんを対等に扱って、

真っ向から本音を正直にぶつけてるのがぼくはすごくいいな、好きだなと思った。

 

「こうしなさい!」とか

 

「◯◯じゃないとダメでしょ!」とか

 

「正しさを押し付けること」は一度たりともなかった。

 

あと、

來樹くんが泣き止んだ後、

最後に

 

「大好きやで♡」

 

とちゃんと言葉にして伝えて、そしてぎゅーっと思い切りだきしめて、

全身で「好き」を伝えてるのが、すごく好きだなあ!と思った。

 

 

話は戻って、

お風呂あがってみたら、まあ〜それまでが嘘のようにご機嫌になって!笑

ぼくだけでなくみんなに遊んでもらって楽しそうにしていました。(๑′ᴗ‵๑)


そのあとお待ちかねのご飯になったんだけど、

 

まあ〜、ビールの美味いこと!!!笑

 

だいぶお酒がすすみました。笑 (๑´ڡ`๑)

 

その間も來樹くんは傍で見てて、

テーブルからもの落としそうになったのをハシっ!って押さえて阻止したのを

 

「ちょww ベジさん何今の超速い!!」

 

とか驚かれたけど、

ほら、やっぱ…

 

ぼくいちおうプロなんでね、笑

(↑言いたいだけ)

 

 

そんなこんなで夜もふけてきて、終電の時間があったから時計を気にしていたんだけど、

みのりさんから

 

「泊まりはNGって伝えてたけど、みんなにも聞いて『ベジさんだったら泊まっててもいいよ』ってなったからよかったら泊まってって!( ´ ▽ ` )ノ」

 

て言われて。

 

「まじでー!!」って超ありがたくてうれしかったけど、

ちっとやる仕事があったのでやはり終電で帰ることに。(´;ω;`) 

 

 ちなみに、

「リアル草食系男子」の他に、(わりと昔からそうなんだけど)

「女子会に呼ばれる系男子」も名乗っていこうとこのあたりで決めました。笑

 

 

さて、いよいよ帰るときになって、

一個だけ気がかりがあったんだけど。

 

前回の託児の帰りのときには來樹くん、泣いてしまってて。

↓ 

recrea.hatenablog.com

 

 

(´-`).。oO(今回はどうかなあ…? 

 

と内心ドキドキしてたんですね。

 

でも、

今回は、

 

 

笑顔でお見送りしてくれました!!

 

 

「またね!( ´ ▽ ` )ノ」ってハイタッチして。

 

 

彼をさんざん泣かせたし、追いつめたし、

この日はほんとにめっちゃくちゃしんどくて(メンタル的に)、

どう捉えてもらえたんだろうって思ってたけど、

 

來樹くんが笑顔で見送ってくれるってことは

「そういうこと」なんだな、って。

 

安心したし、うれしかった。

よかったと思った。

 

 

そして部屋を出る時点では終電間に合うかほんっとにギリギリだったけど、

うれしくて超ダッシュしたらちょっと写真とるくらいには余裕で間に合い、笑

 

この日2回目かつ前回以上の「マラソン走りきった感」とともに、家路につきました。

 

…とさ!

(๑′ᴗ‵๑) 

 

 

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『代々木〈らい〉おっと! 』…
 
 
完!!!

代々木〈らい〉おっと! その9

前回はこちら

 
 
 
 
橋の上からは小さなステージが見えて、
そこではバンドがなんだかウキウキする音楽を演奏していました。
 

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來樹くんも気になったようで、しばし見入っていました。
 
 

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來樹くん「じーーーっ」
 
 
そのうち、ステージの向こう側にある出店が気になったらしく、
 
 
來樹くん「あそこ、行く!(`・ω・´)」
 
 
ということで歩道橋から下りてその店へ。
 
 
ジャークチキンがメインのジャマイカ料理のお店だったのですが、
 

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彼の気を惹いたのは料理…ではなく、

「車」とその「カラーリング」だった模様。笑

 
すわりこんで記念撮影。 
 
なんか食べたいかなあって思って、いちおう料理も見たんだけど、
來樹くん、「うーん(´・ω・`)」って感じ(どれも辛そうだったしな)。
でもこれのミニカーが売ってたらきっと買ってただろう。笑
 
カルピスウォーターをしこたま飲んでのどの渇きが癒えた後は、
どうやら甘いもののほうが食べたかったらしい。
 
「アイスとかき氷、どっちがいい?」って聞いたら
 
 
來樹くん「アイス!(`・ω・´)」
 
 
と即答。
あたりを探してみると、沖縄の素材を使ったジェラート屋さんを発見!\(・ᴗ・)/
 
來樹くん、メニュー表とにらめっこ。
フレーバーがいっぱいある中で紅芋を選び…
 

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おかいもの。

うん、できることは、自分でね。

店員さんもすごくやさしかった。(๑′ᴗ‵๑)

 

 

さっきの小さなステージの方に空いてるベンチを見つけ、

いざ、デザートタイムです。(๑´ڡ`๑)

 

 

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『…べじさんにはあげないよ?』笑

 

 

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完全に目に「力」が戻ってるね!( ´ ▽ ` )ノ

 

 

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これはちょっと入らないんじゃない?
(※がんばったけどやっぱり止められなかった。笑)

 

 

あっという間に平らげてしまいました。

(まあ、わかってた。笑)

 

 

そして來樹くん、

甘味もご堪能いただき、「くるしゅうない」といった感じのおくつろぎモードに。

 

 

そんな中、

聴き覚えのあるイントロが流れてきて『あれ…これって…?』って思ったら、
SOUNDCLOUDでお気に入りにしてた曲でした!

「NETWORKS」(ネットワークス)というバンド。

 

soundcloud.com

 

この曲、すごく好きなんです。

 

歩道橋の上から聴いてた他の知らない曲もどうりで「お、いいなあ」って思うわけだ、

とひとり納得してました。

 

來樹くんから目を離すわけにはいかないので、

すぐ傍に立ってステップを踏みながら少し踊りました。笑 


そこへ美紀さんから

「ベジさん、お疲れさまですー!ボチボチ終わります!」

 

とメッセージが!

來樹くんはもう泣きはしなかったけど、早く美紀さんに会わせたげたいと思って、
美紀さんの待つお店へ戻ることにしました。


もう薄暗くなってきた、昼間来た道をそのまま逆に戻る。
早く戻りたい…はずだけど、

來樹さん、足取りがちょっと重い…?

ちょいちょい、立ち止まるように。

 

今日は体力、だいぶというか、かなり使ってるからね…(;´Д`)〜3

 

 

「肩車したげようかー?」と聞くと「(´・ω・`)?」という顔をするので、

「肩車ってね、こうやってベジさんの肩の上にまたがってね…」って説明したんだけど、

 

 

來樹くん、断固拒否。

 

 

肩車はみんな好きなんだと思ってたけど、高いとこがやなのかな?

 (※放課後等デイではやってないです。まあ、危険が伴うからねえ。)

 

無理強いはよくないので

 

「じゃあ元居たとこまで歩けるー?」と聞くと、

 

 

「來樹、歩く!(`・ω・´)」

 

 

と頼もしいお返事!(•̀ᴗ•́)و ̑̑

 

 

その後は立ち止まることなく、

 

手をつないで、

 

歩道橋を超え、

 

長い坂を下り、

 

信号を越えて…

 

 

ついに、美紀さんが待つお店までたどり着きました…!!

( •̀ㅂ•́)و

 

 

次回、最終回!?(たぶん!)

つづく!!

代々木〈らい〉おっと! その8

前回はこちら

 

 

recrea.hatenablog.com

 

---

 

「号泣リターンズ」からの展開はことのほか早かった。

 

それまで「ママが傍にいない」という現実を受け入れたくないがために、

(もちろん意識してそうしていたわけではなく、そうすることしかできなかったのだが、)

頑に無言と、そして泣き叫ぶことで「バリアー」を張っていた來樹くん。

 

 

が。

 

 

泣き止んでからは、

 

ことばが届く。

 

スッ、と入る。

 

会話のキャッチボールが弾む。

 

 

「遊びに行く」ことについて、どうするか聞くと、

 

 

來樹くん「いく!(`・ω・´)」

 

 

ということで、

晴れて、代々木公園へ向かうことになりました!!!

 

 

ここまで長かった…!!!(´;ω;`) 

 

 

あとね、まじめな話、

炎天下で滝のような汗をかきながらあらんかぎりの力でもって号泣してたので、

電池切れでいったん寝てはいるものの、体力的なことと熱中症なんかを心配してたのですよ。

 

彼にとにかく早く水分をとらせたかったんだけど、

ずっと立ち止まってたあたりにはコンビニも自販機もなくて、

カフェは見えてたけどコーヒー紅茶はカフェイン入ってるし(まあジュースかなんかはあったかもしれんけど)

どうすっかな〜と考えてた。


出発当初と比べると、動き的にHPが明らかに減ってるんだけど、

 

 

「(どこか知らんけど目的地に、)行く!(`・ω・´)」

 

 

という強い意志がその眼に感じられたので、

 

ぼくも『よし、行ける!(•̀ᴗ•́)』と思い、再出発!!

 

気持ち、声も張り気味で、

 

「お祭り、何があるかな〜!( ´ ▽ ` )ノ」

「楽しみだね〜!( ´ ▽ ` )ノ」

「あ!太鼓の音が聴こえてきたよ〜!( ´ ▽ ` )ノ」

 

など矢継ぎ早に声をかけ、息つく暇を与えない(笑)ようにして、

早歩きで代々木公園へと向かいました。

 

そして到着!

 

思った以上に賑わっていて、

ぼくも來樹くんも「ふわぁ〜!!」ってなった。

 

明らかにテンションが上がり、ぼくに小石を投げつけたりしてキャッキャと声を上げて遊ぶ來樹くん。

 

『よかった〜 (; ´ ▽ ` )ー3』

 

と内心ホッと胸をなでおろし、まずは飲み物を買うことに。

 

出店をいくつか見て回り、自分でほしいのを選んで

美紀さんから預かっていたお金を渡し、カルピスウォーターを買った來樹くん。

ぼくはミネラルウォーターを買い、歩道橋の階段に腰を下ろしてようやくの水分補給。

 

來樹くん「あけて!(`・ω・´)」

 

ペットボトルのキャップを開けられなかったのをぼくが開けたげたのだけど、

次の瞬間奪い取るようにして、両手で持ってゴクゴク飲んでいた。

 

『おお!いい飲みっぷりだねえ、いっぱい汗かいて、喉渇いてたもんね〜(´ー`)』

 

なんて思いながらぼくもミネラルウォーターを5口くらい飲んで一息ついたんだけど…

 

來樹くん「ゴク!ゴク!ゴク! (;`・ω・´)」

 

 (´-`).。oO(うん…?

 

來樹くん「ゴク!ゴク!ゴク!ゴク! (;`・ω・´)」

 

(;´-`).。oO(え…?

 

 

來樹くん「ゴク!ゴク!ゴク!ゴク!ゴク!ゴク!(;`・ω・´)」

 

 

ベジ「ちょ、ちょーっと待って待って待って!(;´Д`)」

 

一息もつかずに飲み続けてるから、いったん落ち着かせるのにペットボトルを取り上げようとしたんだけど、

來樹くん、すごい力と執念で絶対に離そうとしない!

 

『あ、これ無理なやつだ…!(´-`)』と思い、ぼくが手を離したんだけど、

 

結局、

 

500mlペットを一気飲みしてしまった…!!!

『いくらなんでも、どんだけ喉渇いてたんだよ…!!』
『ていうかそんなに飲んでだいじょうぶかよ…!!?』

 

ぼくの心配などどこ吹く風。

夕暮れ前で少し涼しくなった風に吹かれ、すっきりした顔をしている來樹くん。

明らかに減っていたHPは、明らかに回復していました。

 

 

進撃の(小さな)巨人がついに息を吹き返したのです…!

 

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歩道橋の壁の向こうを見やる超小型巨人(?)は次に何を狙う…!?

 

 

つづく!