あなたやぼくという人を、真に動かす原動力となるものは、ルールではない。
(たとえそれがどんなに強大であったとしても。)
理屈や論理でもない。
(たとえそれに綻びが全くなかったとしても。)
極論すれば、言語化されたものですらない。
(文章や言葉、それらがトリガーになることはあるとしても。)
では、何か?
それは「感情」だ。
真に説得力を持つのは、あなた/ぼく自身の中から湧き上がる「感情」だ。
そして人は、自分で「納得」しないと「動けない」。
「そんなことはない、自分は納得がいかないことであっても動けている。例えば、好きでもない仕事でも毎日仕事に向かうし、どんなに理不尽であっても上司の命令をきいている。」
どこかの誰かは言うだろう。
でも、ほんとうにそうだろうか?
それは、
『そういうものだから』『しかたがない』とそう思い、
それらを受け入れ、「納得している」のではないのだろうか?
誤解されると困るのだが、
ぼくは「好きでもない仕事ならやめちまえ」とか「気に入らないやつは張り倒せ」なんてことを言いたいわけじゃない。
ぼくが言いたいのは、
「人は、自分自身を欺くこと、本当の気持ちを偽ることに慣れている」
ということだ。
そして、
成長するに従って、「大人」であるほど、そうすることに長けてしまっている、ということ。
決して、「良い/悪い」の話ではない。
が、それを知っているかどうかで、
もし「迷路」に迷い込んでしまってもそこから抜け出すことの難易度も変わってくると思っている。
もう一度。
真に説得力を持つのは、あなた/ぼく自身の中から湧き上がる「感情」だ。
そしてそれを湧きあがらせるのは、
大切な人が自分に向けてくれる眼差しであり、
触れ合うことで確かだと信じられる体温であり、
思わず息を飲んでしまうような光景であり、
それらによって、
それらを失いたくない、このままずっと自分の傍らに感じていたいという願い/欲望=力が生まれるのだと思う。